昭和47年夏、指宿枕崎線で乗り合わせた女子短大生の「あなた」。名前も、住所も、たどれる情報はなに一つとしてない。 「旅先での一期一会」と決めた青春の1ページは、大きな悔いを遺した。 通り過ぎた過去の「あなた」へ、思いはつのる。